2005年07月14日

微妙な話と微妙な関係

 アメリカの大学で日本語を教えていらっしゃるヒロシさんが、「やばい」の使い方に関する調査を詳しく解説されています。わざわざ私の記事まで紹介していただき、恐縮です。。

 さて、文中、ヒロシさん、次のように書いていらっしゃる。
ただ、日本に住んでいないので、電車の中など街でで耳にしたり、テレビで若者が言っているのを聞いたりといったリアルタイムでの日本語の変化を肌で感じることができないのがほんの少し悔しいような気がします。

 外国で日本語を学ぶ人たちもヒロシさんのような思いを抱いているようです。
 3年ほど前、学生と一緒にモンゴル人の女性と話す機会がありました。彼女は本当に日本語が上手でした。日本語の勉強は基本的にはモンゴルでしたそうです。何回か日本に仕事で来たことはあるとのことでしたが、学生たちのような若い世代と自由に話す機会はなく、彼らとの会話を楽しんでいました。その時、彼女が気に入ったのが、彼らが頻繁に口にしていた「微妙」という言葉です。学生が使っていたわけですから、「ビミョー」とか「ビミョ〜」と書いた方がぴったり来るんでしょうが、何となく曖昧にして答えて、責任を回避する、また相手との一定距離を保つときに使われる(と思われる)、この「ビミョ〜」を、彼女も学生たちと別れるときには使いこなしていました。

 私もよく使ってしまう、この「ビミョ〜」ですが、断言しない、曖昧にする、そういうことで相手との、まさに微妙な関係を維持しようとする意識がそこに見られると思うのですが、このような使用方法は、一体いつ頃から広まっていったのでしょうか?ここ数年のことだと思うのですが、私が知らなかっただけ?
 「ビミョ〜」の広まりと人間関係、社会のあり方とが、それこそ微妙に関係しているように思うのですが、どうでしょう?とくに傷つけたくない、傷つきたくない、最近の若者のメンタリティと関係があるような気がするのですが?
posted by Prof.T at 23:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
T先生、トラックバック有難うございます。T先生も「ビミョ〜」をお使いになるんですね。実はこの文化庁調査では「やばい」以外に、次の5項目についても同様のデータを取っていました。「わたし的にはそう思います(的)」、「鈴木さんと話とかしてました(とか)」、「とても良かったな,みたいな……(みたいな)」、「いいか悪いかの判断がつかないときの『微妙』」、「面倒臭いことや不快感・嫌悪感を表すときに『うざい』」です。この中で、「(わたし)的」、「みたいな」、「とか」のあいまい表現は、全年齢層の使用者は約2割に過ぎず、若年層に集中しています。おっしゃる通り、傷つけたくない、傷つきたくないという和やかななかにも距離感をとる若者のメンタリティと関係がありそうですね。一方、「微妙」だけは、全体の約6割もの人が使うと言っています。29歳以下の約9割は納得ですが、30代約8割、40代約6割、50代約5割、60代以上でも男性4割、女性3割と高年齢層にも広がっています。このようにあいまい表現の中で「微妙」だけは広く受け入れられているのは、興味深いです。
Posted by ヒロシ at 2005年07月15日 00:22
 ヒロシさん、コメントありがとうございます。そうなのですか、「微妙」も調査に入っていたのですね。ニュースをきちんと読んでいないことがバレバレです(笑)。
 「微妙」は「細かいところに複雑な意味や味が含まれていて、何とも言い表しようのないさま」(広辞苑)を意味するので、どんなシチュエーションでも使えて便利なのでしょうか。若干、否定的なニュアンスが含まれている点が新しいような気がしますが、素人の推測はこの辺にして、あとはヒロシ先生にお任せ致します。
Posted by Prof.T at 2005年07月15日 00:51
これの研究をしている訳ではないので、憶測に過ぎませんが、「若干否定的なニュアンス」というのは、断りのストラテジーとして「ダメです」と言うかわりにぼかして「難しいです」ということがありますね。あれをアメリカ人にやると、「難しいそうですが、どうすれば、できますか。」と食い下がってくるというか、断りが通じないことがありますが、それはさておき、それと同じように「微妙です」と言って断りに使われることがあるからかもしれないと思いつきました。でも思いつきまでです。
Posted by ヒロシ at 2005年07月15日 13:18
 アメリカ人との会話は難しいですよね。あっ、どう難しいか、書かないといけないんですね。
 いちいち理由をつけて話をしなければいけない社会は、相互理解のためにはいいのでしょうが、ストレスのたまる社会でもありますね。
 コメントありがとうございました。
Posted by Prof.T at 2005年07月16日 11:08
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