2005年08月24日

そんな根性があるのなら・・・

 6年ほど前の話。そのころは、学生のPC所有率は今よりずっと低かったし、インターネット利用者も少なかった。大学も全学生にメールアドレスを付与できる体制は作れていなかった。したがってメールで資料を送るといったことはしていなかったし、レポートをメールに添付して提出させることもできなかった。しかし、近い将来、IT(もっとも当時はITという言葉は一般的ではなかったと思うけれど)を使いこなせなければならない時代が来ると思っていたので、レポートは手書き不可にして、ワープロ打ちで提出させることにした。

 もちろん単に手書き不可ではPCを持っていなかったり、ワープロが打てない学生が可哀相だ。したがって、成績は基本的には試験の点数に基づくこととし、もしワープロ打ちのレポートを出せば、それを評価して試験の点数に加算して成績を出すことにした。

 授業で以上のことを説明したら、授業後1人の学生が抗議に来た。彼はPCを持っていないから手書きを認めてくれという。なるほど、しかし大学にはPCがあるのだから、それでやればいい。いや、自分はPCを使えないのだと反論する。大丈夫、まだレポート締切まで日があるのだから、今から使い方を習い始めても十分間に合うよ、と答える。いや、自分には絶対使いこなせない、と抗弁する。そんなことはない、絶対できるよ。それから、ダメだ、できる、ダメだ、できる・・・の言い合いとなった。

 こちらもまだ若かったから彼を説得できると思ったが、彼も(私よりはるかに)若いから絶対教師を説得できると頑張った。

 いい加減疲れたので、そもそも試験(これは手書きだ)でよい成績を取ればレポートの必要はないのだから試験を頑張りなさいと言って部屋に戻ろうとしたのだが、彼の方は頑張って追いかけてくる。追いかけながら、「ダメです、手書きを認めてください」と繰り返す。逃げながら「やりなさい。さもなければ試験を頑張りなさい」を反復する。早歩きで追いかけてくるものだから、こちらもはや歩きになって逃げをはかる。お互い早歩きで、「ダメだ、認めろ」、「やれ、さもなければ試験だ」と言い合う。

 最終的に何とか逃げ切ったのだが、教師にこれだけ文句を言う根性があるのなら、PCなど小一時間で使いこなせるようになると思うのだが。彼は今もPCなしで生活しているのだろうか。 ちなみに押し問答の途中で、君は携帯メールは使いこなしているのかと聞いたら、それは十分使いこなせているということだった。
posted by Prof.T at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 学生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。