今でもちょっと気になっているのは、後者のインカレで2位になった学生だ。彼は他学部の学生で、私の科目は教員免許を取るために必要だということで履修していた。私は試験の点数をもとにして成績をつけているが、彼の答案を採点したときには、正直どうしたものかと迷った。
点数は70点台だった。成績はBとなる。しかし、彼は運動部で、おまけにインカレで2位になるほど頑張った。さらに他学部で、私の科目は彼にとって専門科目ではない。これらを考慮すれば、Aにしてもいいような気もする。
他方で、彼だけ特別扱いしていいのか、という疑問もある。学生の中には新聞配達などで生計を立てながら頑張っている学生もいるかもしれない。インカレで2位になることも大変だが、学費を稼ぎながら頑張っている学生も大変だ。インカレで2位になった学生は顔と名前がたまたま一致した。ある種の情が発生しているだけに過ぎないのではないか。情に流されて成績をつけてよいのか。それは私が唾棄してきたことではないか。
結局、何の配慮をすることなく、成績はBとしたのだが、今でもそれでよかったのか、いやよかったのだと、考えることがある。
私にとっては、教職科目でAだろうがBだろうが、もちろんCであろうが大した問題ではないです。要するに単位さえ取れればよいので、CとDの間に決定的な崖があるだけで、C以上はほぼ平らなのです。むしろ、Cの単位をもらった方が、Dじゃなくてホッとするという意味で、AやBより喜びは大きいかも知れません。
私は学生の立場として、情を入れて頂けるのならば、単位の認定の有無が学生に与える影響という観点にも着目していただきたいと考えています。もし、記事の学生がCかDかの瀬戸際であったならば、文句なくCを与えてよいと思います(私ならば与えます)。
単位の認定に対して、情を入れるべきか否かは、難しい問題ですね。難しい問題であるからこそ、記事にしたわけですが・・・。
ちなみにtoddyさんとは異なり、AでなければD(不可)にしてほしいという学生もいます。実際、答案にそう書いてくる学生もいますが、それはそれで失礼な話です。